安全・安心にこだわった治療

最新の診療機器の重要性

「医療は日進月歩」と言いますが、歯科治療でも同じです。それまで常識とされていたことが、今では非常識となることさえあります。
歯科の治療技術や用いられる器材は、私が歯科医になった15年前とは大きく変わっており、「常識」が変化した結果、治療の安全性は飛躍的に向上しています。

例えば、治療の際に歯科医師や衛生士がグローブ(手袋)をはめるのが、感染予防の観点からも現在の歯科治療の常識ですが、私が子供の頃などはグローブをはめている先生に治療してもらった経験はありません。(もちろん当時の全ての歯科医がそうであったわけではないでしょうが)。

グローブだけではなく、治療に使用する器材も様々な新しい物が発売されています。新しく発売されている器材は、従来の物よりも優れた部分が多く、そういった器材を使用することで

  •  ①ウィルスや細菌の感染を防ぐ。
  •  ②治療の安全性が向上する。
  •  ③治療の精度が上がる。
  •  ④見えなかったものが見えるようになる。
  •  ⑤必要のない治療を避けることができる。

など、書き出せばキリがないくらい多くのメリットがあります。クレア歯科では常に最新の器材を用い、安全かつ質の高い歯科治療を目指しています。

感染を防ぐ

「スタンダードプリコーション」というアメリカのCDC(疾病管理予防センター)が提唱する感染予防の基本原則があります。

スタンダードプリコーション以前の感染予防の考え方は、「感染症に罹患している患者」に対し、「特別な感染予防をする」、あるいは医療従事者の安全のみを考えられたもの(ユニバーサルプリコーション)でした。

これに対してスタンダードプリコーションは、感染症の有無にかかわらず「全ての患者」が対象となり「血液、体液、汗を除く分泌物、排泄物、傷のある皮膚、粘膜に適応されるもので、医療従事者の安全を守るとともに医療者の手を介した病原体の伝播による余計な感染を増やさないことを目的とする」としています。

スタンダードプリコーションでは、「スポルディングの分類」という汚染物質や器材ごとに安全に医療行為を行うために必要な消毒・滅菌レベルが示されています。

クレア歯科ではこのスポルディングの分類に示されている以上の消毒・滅菌レベルをベースとして、すべての治療器具を取り扱っています。ちなみに、数年前に新聞などで話題になったタービン(歯を削る道具)の使い回しなどは、スタンダードプリコーションから逸脱しているものです。

クレア歯科では、可能な物はできるだけディスポーザブル(使い捨て)にし、その他の器材は患者さんごとに正しい滅菌消毒を行っています。特にタービンなどの汚染に対してハイリスクな器材で、内部の構造も複雑で繊細なものは専用の滅菌器を使って滅菌しています。

治療の安全性向上

「感染予防」も安全性向上の取り組みの一つですが、歯科治療ではそれ以外にも刃物、ドリル、針、強力な薬剤など危険な物を取り扱うことが多いので、そうした危険物の取り扱いにも細心の注意を払う必要があります。

刃物や針を使用し終わったら、すぐにカバーやキャップをして医療廃棄物専用のゴミ箱に捨てるなど、当たり前のことを大切にして治療行為をしていくことで事故を未然に防ぐことができ、患者さんとスタッフの安全を守れると考えています。

クレア歯科では、たとえ事故(アクシデント)に至らなかったとしても、事故に至る可能性のあった出来事を発見(ヒヤリハット)した場合には、スタッフ間で共有し、再発防止に対して結論が出るまで話し合います。

さらに細かい話ですが、事故に至る可能性のあった出来事があっても気づいていない(インシデント)ということがないように目を配っておく義務があると考えています。インシデントはヒヤリハットよりも事故(アクシデント)に発展する危険性が高いからです。

最新機材が高める安心安全

怖い話ですが、従来の歯科治療では術者が「見えない部分」を治療するために、「治療の経験値」や最悪の場合は「勘」に頼らざるを得ないこともありました。「見えない部分」が存在したための事故というものも、歯科治療の歴史を紐解けば多く存在します。

現在では、性能向上や新しい機材の開発により、従来は見えなかった部分の「見える化」が進んでいます。見えなかった部分が見えるということは、治療の精度や安全性の向上に直接的につながります。

例えば、マイクロスコープやルーペの使用により、根管治療や虫歯治療などの見えづらさが解消し、より確実性の高い治療ができます。また、削る必要のある部分と必要ない部分をクリアに見分けることができるようになり不要な侵襲を避けられるため、歯の寿命を伸ばすことにつながります。

数年前にインプラント治療で起きた重大事故は、インプラントを埋入する骨の形態を2次元(平面)のレントゲンでしか確認しなかったために、骨のないところにドリルを進めたことで不幸な結果に至ったと報告されています。

しかし現在では、CTという3次元的な位置形態の確認ができるレントゲンを用いて骨の状態を確認するため、事故が起こる可能性は当時と比べるとかなり低くなっています。クレア歯科でもインプラント治療を受ける患者さんは、必ず術前検査としてCTを撮影しており、CTを分析した結果、安全性が確認できない場合はインプラント治療を断念していただくこともあります。

治療では何よりも安全第一を最優先に考えていますので何らかの事情でCT撮影できない場合などはインプラント治療をお断りしています。

クレア歯科では、安全性の高い治療や精度が高く長期的予後が期待できる治療を提供するため、常に最新最善の治療技術を学び、必要に応じた器材薬剤を治療に使用しています。